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令和4年度 2022年度 皮膚科専門医試験 解答解説 問題 59

問題

問題 59
65 歳、男性。背部の瘢痕局面に生じた皮膚潰瘍が難治なために近医皮膚科からの紹介で受
診した。臨床像を図 30、図 31 に示す。初診時に患者に問診を行うべき事項として最も重要
なものはどれか。
1. 薬剤内服歴
2. 外傷の既往歴
3. 熱傷の既往歴
4. 心臓カテーテル検査または治療の有無
5. 湿布等によるアレルギー性接触皮膚炎の既往歴

解答

問題 59
65 歳、男性。背部の瘢痕局面に生じた皮膚潰瘍が難治なために近医皮膚科からの紹介で受
診した。臨床像を図 30、図 31 に示す。初診時に患者に問診を行うべき事項として最も重要
なものはどれか。
1. 薬剤内服歴
2. 外傷の既往歴
3. 熱傷の既往歴
4. 心臓カテーテル検査または治療の有無
IVRによる慢性放射線皮膚炎と考えられる。透視の機械の関係上、大きさがせいぜい手拳ー手掌大で、右背部-肩甲下部に限局することが多い。初診時には薬疹や帯状疱疹や褥瘡などと間違われることが多いので、問診が重要。慢性放射線皮膚炎として出現することもあるので、結構昔の治療歴も聞いたほうが良い
5. 湿布等によるアレルギー性接触皮膚炎の既往歴

放射線皮膚炎

以下は急性放射性皮膚炎の分類

重症度発現時期1回照射量 総線量症状など
第1度初期紅斑直後-24時間2Gy以上20Gy未満一過性の紅斑
主子黄斑数日-3週10Gy以上20-3oGy灼熱感、一過性脱毛
第2度乾性落屑3-6週15Gy以上30-50Gy軽度のポイキロデルマ、ドライスキン
第3度湿性落屑4週以降18Gy以上50-70Gy水疱、びらん、永久脱毛
第4度潰瘍、壊死6週以降20Gy以上70Gy1回照射量が100Gyを終えると2w以内に壊死となる
あたらしい皮膚科学より抜粋

頭部血管肉腫に対する放射線治療では70Gyを分割照射したりするので、びらんなどが頻発します。

急性期の治療は熱傷に準じて治療していく

IVR後の放射線皮膚障害

肝臓や消化管領域でもIVRを行うことがあるが、冠動脈造影や、経皮的冠動脈形成術などは治療に時間を要し、その分被ばく量も増えるため、心臓カテーテル治療による皮膚障害が多い。

IVR治療後から慢性放射線皮膚障害が生じるまで2-10年程度

慢性放射線皮膚炎

総計 10 Gy 以上の放射線を 1 か所に受けると半年後以降に出現する。悪性腫瘍への分割照射療法の照射部皮膚や,放射線を扱う医療従事者の手などに生じやすい。症状は 以下の表のごとく進行する

萎縮期皮膚乾燥、色素沈着、色素脱失、毛細血管拡張、いわゆるポイキロデルマ
角化期皮膚硬化、角化性局面形成
潰瘍期外的刺激により容易にびらんや潰瘍を形成し、感染も合併する
腫瘍期 (15-20年)有棘細胞癌や基底細胞癌を発生
あたらしい皮膚科学より抜粋

参考

IVR(Interventional Radiology)後に生じた慢性放射線皮膚炎の 2 例

放射線皮膚炎に対するケア

放射線皮膚炎と皮膚線量について

リンク

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