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令和4年度 2022年度 皮膚科専門医試験 解答解説 問題 73

問題

問題 73
 出生時あるいは出生後早期の結節性硬化症患者でみられる皮膚・粘膜症状はどれか。
1. 爪囲線維腫
2. 口腔内の線維腫
3. 顔面の血管線維腫
4. 低色素斑(Hypomelanotic macule)/白斑
5. シャグリンパッチ(Shagreen patch/connective tissue nevus)

解答

問題 73
 出生時あるいは出生後早期の結節性硬化症患者でみられる皮膚・粘膜症状はどれか。
1. 爪囲線維腫
通常は思春期以降に出現し、増大していく。易出血性で日常生活に支障がある場合は切除するがすぐに再発する
2. 口腔内の線維腫
頬粘膜,歯肉,舌底面,口蓋にも線維腫などの腫瘍があることがあり、歯に enamel defect(enamel pit)と呼ばれる小さなエナメル質の欠損を高頻度に認める。患者の20-50%に認めるが1個程度なら普通にあるので特異度は低い
3. 顔面の血管線維腫
通常は3-4歳くらいからそれっぽい丘疹があるので、若年であれば結節性硬化症に伴うものの可能性が高いが、思春期以降で発症した場合にはmultiple endocrine neoplasia type 1やBirt-Hogg-Dube syndromeなども考慮する
4. 低色素斑(Hypomelanotic macule)/白斑
境界不明瞭な白斑で特に治療しないことが多い
5. シャグリンパッチ(Shagreen patch/connective tissue nevus)
通常は思春期以降に背部、腰仙部、腹部に非対称性の局面として出現、大きいものは切除することもある

皮膚症状頻度初発年齢
白斑80%以上出生時-生後数か月
顔面血管線維腫80%以上思春期
Shagreen patch5歳未満 25%
5歳以上 50%
思春期以降
爪下線維腫 Konnen腫瘍30歳以上で88% 思春期以降

参考

結節性硬化症の診断基準および治療ガイドライン

結節性硬化症診療ガイドライン 2024

リンク

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