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令和4年度 2022年度 皮膚科専門医試験 解答解説 問題 69

問題

 アザチオプリンの重篤な副作用を回避するために、服用開始前にNUDT15遺伝子多型を検
査することが推奨されている。以下のコドン 139 多型のうち、服薬を回避すべきものはどれ
か。
1. Arg/Arg
2. Arg/His
3. Arg/Cys
4. Cys/His
5. Cys/Cys

解答

 アザチオプリンの重篤な副作用を回避するために、服用開始前にNUDT15遺伝子多型を検
査することが推奨されている。以下のコドン 139 多型のうち、服薬を回避すべきものはどれ
か。
1. Arg/Arg
2. Arg/His
3. Arg/Cys
4. Cys/His
5. Cys/Cys

アザニンの適応疾患は以下の通り

○下記の臓器移植における拒絶反応の抑制
腎移植、肝移植、心移植、肺移植
○ステロイド依存性のクローン病の寛解導入及び寛解維持並びにステロイド依存性の潰瘍性大腸炎の寛解維持
○治療抵抗性の下記リウマチ性疾患
全身性血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、結節性多発動脈炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、高安動脈炎等)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病、及び難治性リウマチ性疾患
○自己免疫性肝炎

なので天疱瘡は含まれていない

頻度用量変更、中止率白血球減少脱毛症
Arg/Arg (野生型)81.1%26.9%0.3%0.1%
Arg/His0.05%28.6%0%0%
Arg/Cys17.8%49.1%4.0%1.1%
Cys /His0.01%未満100%50.0%0%
Cys/CYs1.1%100%67.3%89.8%

天疱瘡の治療などで、あらかじめステロイドだけでなく、免疫抑制剤を使用するかもしれないような症例では、初手からNUDT15の検査を提出しています。残念ながら皮膚科でよく見る天疱瘡では保険適応外になるので公費などを使うことがおおいです。

NUDT15はアザニンなどのチオプリン製剤の活性化型分子の代謝にかかわる酵素の一つ。NUDT15は活性化分子を不活化させる。特にアミノ酸残基Cysに変化すると酵素活性が著しく低下するため、活性型分子が分解されず薬効が強く出るため重篤な副作用のリスクが高くなる。

余談ですが、ほかにも遺伝多型により副作用が増強するものとしてイリノテカンがありこのUGT1A1遺伝子多型検査は保険収載されている。

参考

遺伝子多型と薬剤感受性

MEBRIGHT™ NUDT15 キット

リンク

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