問題
問題 68
HIV/AIDS について誤っているものを選べ。
1. 急性 HIV 感染症では、スクリーニング検査は陰性となる。
2. カポジ肉腫は血管内皮細胞に HIV が直接感染することで発症する。
3. 感染局所における最初の感染標的細胞はランゲルハンス細胞である。
4. 第 4 世代のスクリーニング検査では HIV1/2 抗体と p24 抗原を検出する。
5. スクリーニング検査陽性時には確認検査が必要であり、2020 年のガイドラインでは
イムノクロマト法と核酸増幅法の組み合わせが推奨されている。
解答
問題 68
HIV/AIDS について誤っているものを選べ。
1. 急性 HIV 感染症では、スクリーニング検査は陰性となる。
window period(HIV感染が成立してから検査が陽性になるまでの期間)は最短17日のため、感染初期では偽陰性となることがある。このため、急性HIV感染を疑う場合には、間隔をあけて再検査するか、HIV-1RNA PCRによる確定診断が必要(HIV-1RNA PCR法は急性HIV感染症の診断には保険適応外)
2. カポジ肉腫は血管内皮細胞に HIV が直接感染することで発症する。
HIVウイルスでなく、HHV-8による感染で発症する。HHV-8はB細胞に潜伏感染しているが、AIDSが発症し免役抑制が進行すると、潜伏感染していたHHV-8が増殖し、血管内皮と接触して感染していく。皮膚、消化管、口腔内、肺などにもできる。そのほか古典型、風土病型、免役抑制型、エイズ関連型に分類される。
3. 感染局所における最初の感染標的細胞はランゲルハンス細胞である。
HIV感染は性的接触によることが8割なので、粘膜や皮膚に存在するランゲルハンス細胞が防御の役割を果たす。HIVが侵入するとまずランゲルハンス細胞に発現するLangerinに捕獲されHIVはバーベック顆粒内で不活化するが、不活化されなかったHIVはCD4/CCR5などを介してランゲルハンス細胞に感染する。
4. 第 4 世代のスクリーニング検査では HIV1/2 抗体と p24 抗原を検出する。
以下参照
5. スクリーニング検査陽性時には確認検査が必要であり、2020 年のガイドラインでは
イムノクロマト法と核酸増幅法の組み合わせが推奨されている。
2008年時点ではPCR+WBが推奨されていたが、2020年のガイドラインではPCR+Geenius HIV1/2キットⓇの同時使用が推奨されている
参考
リンク
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