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令和4年度 2022年度 皮膚科専門医試験 解答解説 問題 66

問題

問題 66
 高脂血症に伴う黄色腫に対して保険適用の薬剤はどれか。
1. プロブコール
2. シンバスタチン
3. アトルバスタチン
4. フェノフィブラート
5. トコフェロールニコチン酸エステル

解答

問題 66
 高脂血症に伴う黄色腫に対して保険適用の薬剤はどれか。
1. プロブコール
商品名はシンレスタールⓇ。高脂血症(家族性高コレステロール血症、黄色腫を含む。)に適応あり
、過敏症の既往、重篤な心室性不整脈、妊婦には禁忌。

2. シンバスタチン
高脂血症、家族性高コレステロール血症に適応あり
3. アトルバスタチン
高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症に適応あり
4. フェノフィブラート
高脂血症(家族性を含む)に適応あり
5. トコフェロールニコチン酸エステル
ユベラNカプセルⓇの主成分。高血圧症にともなう随伴症状、高脂質血症、閉塞性動脈硬化症に伴う末梢循環障害に適応あり

スタチン系とシクロスポリンの併用はスタチンの血中濃度が上昇し、それに伴い横紋筋融解などのリスクが上昇するため併用注意。一方ネオーラルの添付文書を見るとピタバスタチン、ロスバスタチンが併用禁忌となっている

黄色腫について

脂質を貪食したマクロファージ=泡沫細胞(foam cell)が皮膚や粘膜に沈着したもの

II,III型の脂質異常症に伴うことが多いとされるが、約半数は脂質異常症なし

  • 結節性黄色腫
  • 腱黄色腫
    アキレス腱、手足やひざの腱に腫瘍ができ、可動域制限を伴うことも。II型脂質異常症が多い。若年性の白内障や神経症状を伴う場合は脳腱黄色腫症(常染色体劣性)を考慮する
  • 扁平黄色腫
    ほとんど盛り上がらない。III型脂質異常症で手掌のしわに沿って発症することがある(手掌線状黄色腫ともいう)
  • 眼瞼黄色腫
    扁平で上眼瞼の内眼角に生じやすい、半数で脂質異常症(II,III型が多い)を伴う
  • 発疹性黄色腫
    5mm以下で小型、肩や四肢伸側に多発。I,IV, V型に伴うことがある
  • 疣状黄色腫
    口腔内、更新、陰部に好発。ドーム状ないし有茎性

皮膚科で相談を受けるのが多いのは眼瞼黄色腫で自然治癒しないので多くのクリニックでは切除ないしCO2レーザーで焼いていることが多いと思います

脂質異常症おまけ

上昇するリポタンパクTG上昇総コレステロール上昇遺伝形式
I型カイミクロン+++常染色体劣性
IIa型LDL正常+++常染色体優性
IIb型LDL、VLDL+++++常染色体優性
III型IDL++常染色体劣性
IV型VLDL++正常常染色体優性
V型カイミクロン、VLDL+++常染色体劣性

国家試験で覚えたようなやつ

参考

医療用医薬品 : プロブコール

あたらしい皮膚科学

リンク

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