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令和4年度 2022年度 皮膚科専門医試験 解答解説 問題 55

問題

問題 55
 抗がん剤血管外漏出時、デクスラゾキサン(サビーン®)が適応となる抗がん剤はどれか。
1. シスプラチン
2. ドキソルビシン
3. ビンクリスチン
4. パクリタキセル
5. ブレオマイシン

解答

問題 55
 抗がん剤血管外漏出時、デクスラゾキサン(サビーン®)が適応となる抗がん剤はどれか。
1. シスプラチン
炎症性抗がん剤、大量に漏出した際はステロイド局注も
2. ドキソルビシン
サビーンの適応あり
3. ビンクリスチン
壊死性抗がん剤、少量でもしっかり対応
4. パクリタキセル
壊死性抗がん剤、少量でもしっかり対応
5. ブレオマイシン
炎症性抗がん剤、大量に漏出した際はステロイド局注

サビーン作用機序

アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤が挿入されたDNAは、トポイソメラーゼⅡと複合体を形成し、DNAが切断された状態で安定化する。その結果トポイソメラーゼⅡによるDNAの再結合が阻害されて細胞毒性を発現し組織障害を誘発する 。
 サビーンは、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血管外漏出による組織障害に対し、トポイソメラーゼⅡの作用を阻害することにより組織障害抑制作用を示す。

  • デクスラゾキサンは、トポイソメラーゼⅡと結合することによりATP結合部位の立体構造の変化を介してDNAのトポイソメラーゼⅡへの結合(DNA-トポイソメラーゼ複合体の形成)を阻害する
  • デクスラゾキサンは、DNA-トポイソメラーゼ複合体に結合し、DNA切断前の状態で安定化させる。また、トポイソメラーゼⅡはタンパク質分解酵素により分解され減少する

抗がん剤血管外漏出

添付文書にはアントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血管外漏出に対して適応がある

壊死性炎症性非壊死性
少量の漏出でも強い痛みが生じ、水疱や潰瘍、組織障害や組織
壊死を生じる
注射部位やその周囲、血管に沿って痛みや炎症(多量に漏れ
出た場合は潰瘍)が生じる
漏れ出た場合に、組織が障害を受けたり破壊されたりすること
はない(可能性は非常に低い)
ドキソルビシン
ビンクリスチン
マイトマイシンC
ドセタキセル
パクリタキセル
ニムスチン
ブレオマイシン
ダカルバジン
シクロホスファミド
テモゾロミド
シスプラチン
メトトレキサート
エトポシド
イリノテカン
ブレンツキシマブペドチン
ボルテゾミブ
IFN製剤
リツキサン
トラスツズマブ
パニツムマブ

参考

医療用医薬品 : サビーン

抗がん剤の血管外漏出の予防と対応ガイド

サビーン

リンク

試験問題のリンク図表のリンクです

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