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令和4年度 2022年度 皮膚科専門医試験 解答解説 問題 48

問題

問題 48
 アトピー性皮膚炎の病態に関与する次のサイトカインのうち、病変部の表皮細胞より産生
されるものはどれか。2 つ選べ。
1. Interleukin-4(IL-4)
2. Interleukin-13(IL-13)
3. Interleukin-31(IL-31)
4. Interleukin-33(IL-33)
5. Thymic stromal lymphopoietin(TSLP)

解答

問題 48
 アトピー性皮膚炎の病態に関与する次のサイトカインのうち、病変部の表皮細胞より産生
されるものはどれか。2 つ選べ。
1. Interleukin-4(IL-4)
Th2細胞や2型自然リンパ球が産生しType2炎症を引き起こす
2. Interleukin-13(IL-13)
Th2細胞や2型自然リンパ球が産生しType2炎症を引き起こす
3. Interleukin-31(IL-31)
Th2細胞が産生し、かゆみを誘発するサイトカインの一つ
4. Interleukin-33(IL-33)
TSLPと同様に2型自然リンパ球やTh2細胞を誘導・活性化し、皮膚の免疫反応をTh2型へと誘導する。活性化した2型自然リンパ球はIL-5やIL-13を分泌し、Th2が産生するIL-5と共に,好酸球を炎症局所で増殖させる。
5. Thymic stromal lymphopoietin(TSLP)
搔破等に産生されたTSLPは、近傍のランゲルハンス細胞に発現するTSLP受容体に作用してTh2誘導を介してIgE産生を促す。ほかに直接好塩基球に作用してIL-4の産生や増殖を促進させることにより、アレルギー発症を誘導する。

物質名品名阻害するサイトカイン
デュピルマブデュピクセントIL-4/IL-13
ネモリズマブミチーガIL-31
トラロキヌマブアドトラーザIL-13
物質名品名阻害する
デルゴシチニブコレクチムJAK1/2/3/Tyk2阻害
バリシチニブオルミエントJAK 1/2阻害
ウパダシチニブリンヴォックJAK1阻害
アブロシチニブサイバインコJAK1阻害
ジファミラストモイゼルトPDE4阻害

自然リンパ球:抗原受容体を持たず自然免疫で働くリンパ球をInnate lymphoid cells (ILC)と呼ぶ

ILCは1-3まであり、アトピー性皮膚炎で重要なILC2はIL-5やIL-13などのサイトカインを産生する。

Type2炎症:かつてはTh2活性化によるTh2炎症と呼ばれていたが、近年ILC2による炎症も含む用語としてType2炎症というようになってきた。

参考

アトピー性皮膚炎の病態と治療の最前線

自然リンパ球(ILC: Innate Lymphoid Cell)の役割

リンク

試験問題のリンク図表のリンクです

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