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令和4年度 2022年度 皮膚科専門医試験 解答解説 問題32

問題

問題 32
26 歳、女性。シラカンバおよびハンノキに対するアレルギーをもっている。最近になっ
て,モモを食べた数分後に口腔,咽頭,口唇粘膜の刺激感と痒みが誘発されるようになった。
コンポーネント診断を実施したところ陽性であったAln g 1、Bet v 1、Mal d 1およびPru p 1
はいずれも PR-10 に分類されるアレルゲンであった。
 以下の記載のうち、誤っているのはどれか。
1. PR-10 は熱に対して安定である。
2. PR-10 は胃酸で容易に分解される。
3. この症例は、リンゴを摂取した際にも症状が出現すると予想される。
4. アミノ酸の立体構造を認識する IgE 抗体が症状を引き起こしている。
5. PR-10 は、植物が病原体に感染した際に植物体内で生成される感染特異的蛋白質であ
る。

解答

問題 32
26 歳、女性。シラカンバおよびハンノキに対するアレルギーをもっている。最近になっ
て,モモを食べた数分後に口腔,咽頭,口唇粘膜の刺激感と痒みが誘発されるようになった。
コンポーネント診断を実施したところ陽性であったAln g 1、Bet v 1、Mal d 1およびPru p 1
はいずれも PR-10 に分類されるアレルゲンであった。
 以下の記載のうち、誤っているのはどれか。
1. PR-10 は熱に対して安定である。
熱で分解されやすいので、加熱した食品であれば、症状が出にくい

2. PR-10 は胃酸で容易に分解される。
消化酵素にも弱いためにOASは全身症状というよりも、胃に到達する前の口腔、咽頭の症状が主症状となることが多い。
3. この症例は、リンゴを摂取した際にも症状が出現すると予想される。
リンゴもPR-10ファミリーの中のMal d1をコンポーネントして持つ。
4. アミノ酸の立体構造を認識する IgE 抗体が症状を引き起こしている。
このエピトープの構造が類似していると別のタンパクにもIgEが結合してしまうため、交差反応が引き起こされる
5. PR-10 は、植物が病原体に感染した際に植物体内で生成される感染特異的蛋白質であ
る。
PR-10(Pathogenesis-related protein-10)の略

いわゆるラテックス・フルーツ症候群、口腔アレルギー症候群などと呼ばれる。

アレルゲンコンポーネント:アレルゲンを構成する個々のタンパク質成分をアレルゲンコンポーネントという。

参考

最新の知見から学ぶ食物アレルギー診療の基本

食物アレルゲンコンポーネント

リンク

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