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令和4年度 2022年度 皮膚科専門医試験 解答解説 問題28

問題

問題 28
 好酸球性膿疱性毛包炎について正しいのはどれか。2 つ選べ。
1. 中年女性に多い。
2. 通常痒みを伴わない。
3. 再燃と寛解を繰り返す。
4. インドメタシン外用は無効である。
5. 毛包のない手掌、足底にも皮疹を生じる。

解答

問題 28
 好酸球性膿疱性毛包炎について正しいのはどれか。2 つ選べ。
1. 中年女性に多い。
古典型は男性に多いとされているが、近年では男女比は1:1。あたらしい皮膚科学では成人男子に好発すると記載あり。基礎疾患がない成人に発生するが、小児型、免役抑制関連型などもある
2. 通常痒みを伴わない。
患者の75%で掻痒の訴えあり。紅斑、局面の辺縁に強い掻痒を伴う毛包一致性の丘疹、膿疱を認めた時にEPFを想起する。顔のかゆい局面でステロイド難治の際はEPFも念頭に置いたほうがよい
3. 再燃と寛解を繰り返す。
皮疹は中心治癒傾向で、色素沈着を残して治癒するが、長年にわたり再発と寛解を繰り返す。
4. インドメタシン外用は無効である。
インドメタシンの外用は有効である。病理で中途半端に診断がつかない時もあるので、診断的治療として試してみることもあると思います。日本皮膚科学会によればインフリーⓇは奏効率38%に対しプロドラッグのランツジールの奏効率は100%となっている
5. 毛包のない手掌、足底にも皮疹を生じる。
18%の症例で掌蹠にも皮疹が見られ、初発の場合には掌蹠膿疱症と鑑別が難しい

好酸球性膿疱性毛包炎 eosinophilic pustular folliculitis (EPF, Ofuji, 太藤)

古典型免役抑制小児
基礎疾患なしHIV (HIV患者の 9-18%に合併)
造血幹細胞移植後など
CD4<300/uLが発症の目安
なし
好発部位顔面 88%
体幹 40%
四肢 26%
掌蹠 18%
顔面 67%
体幹61%
頭皮 50-100%
臨床丘疹が環状に配列
中心治癒傾向
色素沈着を残して治癒
古典型よりかゆみが強い
孤発性の皮疹
環状の局面を呈することは少ない
掌蹠に病変はできない
毛包一致性の多発性膿疱が集簇
かゆみ
環状の配列はない
頭皮の病変
自然治癒する
病理毛包漏斗部海綿状変化
毛包脂腺系の好酸球浸潤
毛包漏斗部海綿状変化
毛包脂腺系の好酸球浸潤
特に決まっていない
治療
第一選択
インドメタシン内服
インドメタシン外用
基礎疾患の治療
タクロリムス外用
NB-UVB
ステロイド外用
NB-UVB

治療アルゴリズムは細かいので参考ページを参照

EPFに対するインドメタシンの作用機序

シクロオキシゲナーゼの抑制作用
好酸球に発現するCRTH2抑制作用

参考

好酸球性膿疱性毛包炎の診断と治療のアルゴリズム

好酸球・好中球からみた皮膚付属気疾患の病態と治療

好酸球性膿疱性毛包炎と好酸球性蜂窩織炎

インドメタシン内服剤の製造中止およびその代替品について

本邦のインドメタシンとインドメタシンプロドラッグ

リンク

試験問題のリンク図表のリンクです

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