令和4年度 2022年度皮膚科専門医試験 解答解説 問題22

問題

問題 22
　次の文章の空欄に入る語句として正しい組み合わせを選べ。
　顕性（優性）型栄養障害型表皮水疱症は、COL7A1 のヘテロ接合性変異により発症する。
COL7A1 がコードする 7 型コラーゲンは 3 量体を形成して（ア）として機能する。顕性（優
性）型栄養障害型表皮水疱症では、野生型 7 型コラーゲンも変異型 7 型コラーゲンもそれぞ
れ 1/2 ずつ産生されるが、完全に正常な 3 量体が形成される確率は（イ）になるため（ア）
の機能不全が起こり、皮膚が外力に対して脆弱になる。このように遺伝子の変異産物が正常
産物よりも優位に働いて正常産物の機能を阻害してしまう現象を（ウ）と呼ぶ。」
1． ア：hemidesmosome、イ：1/8、ウ：ハプロ不全
2． ア：anchoring fibril、　イ：1/8、ウ：ドミナントネガティブ効果
3． ア：hemidesmosome、イ：1/2、ウ：ハプロ不全
4． ア：anchoring fibril、　イ：1/8、ウ：ハプロ不全
5． ア：anchoring fibril、　イ：1/2、ウ：ドミナントネガティブ効果

解答

問題 22
　次の文章の空欄に入る語句として正しい組み合わせを選べ。
　顕性（優性）型栄養障害型表皮水疱症は、COL7A1 のヘテロ接合性変異により発症する。
COL7A1 がコードする 7 型コラーゲンは 3 量体を形成して（ア）として機能する。顕性（優
性）型栄養障害型表皮水疱症では、野生型 7 型コラーゲンも変異型 7 型コラーゲンもそれぞ
れ 1/2 ずつ産生されるが、完全に正常な 3 量体が形成される確率は（イ）になるため（ア）
の機能不全が起こり、皮膚が外力に対して脆弱になる。このように遺伝子の変異産物が正常
産物よりも優位に働いて正常産物の機能を阻害してしまう現象を（ウ）と呼ぶ。」
1． ア：hemidesmosome、イ：1/8、ウ：ハプロ不全
2． ア：anchoring fibril、　イ：1/8、ウ：ドミナントネガティブ効果
3． ア：hemidesmosome、イ：1/2、ウ：ハプロ不全
4． ア：anchoring fibril、　イ：1/8、ウ：ハプロ不全
5． ア：anchoring fibril、　イ：1/2、ウ：ドミナントネガティブ効果

ヘミデスモソームは hemi(半分)＋desmosomeである。desmosomeが上皮細胞同士の接着装置であるのに対し、ヘミデスモソームは上皮細胞と細胞外マトリックス、皮膚においては基底細胞と基底膜を接着する構造。ヘミデスモソームは複数の分子により構成される。

皮膚科でとりあえず押さえておくコラーゲンは

• COL1：真皮網状層の主な構成成分
• COL3：真皮乳頭層の膠原繊維はちょっと細く見える
• COL4：ヘミデスモソームの基底膜側に存在する。基底膜に存在するため腎臓の分野ではalport症候群などで大事
• COL7：ヘミデスモソームの下、基底膜と真皮をつなぐanchoring fibrilを形成、後天性表皮水疱症、劣性栄養障害型表皮水疱症など
• COL17：ヘミデスモソームを構成、水疱性類天疱瘡、接合部型表皮水疱症などで出てくる

参考

あたらしい皮膚科学

遺伝性疾患プラス

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