問題
問題 20
図 18 に尋常性ざ瘡を対象として Adapalene gel 0.1% あるいは Vehicle を外用した際のグ
ラフを示す(Kawashima M, et al. J Dermatol Sci. 2008;49:241-8 より引用)。なお、★は統
計学的に 2 群の間に有意差(p<0.05, Wilcoxon rank sum test)があることを示す。
この図から読み取れる情報は何か。
1. 使用後は、自動車の運転は避けるべきである。
2. アダパレンの薬効としての炎症性皮疹の減少には 4 週間以上を要する。
3. 使用時の刺激感は炎症によるものであり、1 週間で 15% の症例に生じる。
4. 使用継続は難しく、8 週後には半数の患者が使用をやめてしまっている。
5. 使用を継続すると効果が減弱し、6 週後には有意差を持って効果が減る。
解答
問題 20
図 18 に尋常性ざ瘡を対象として Adapalene gel 0.1% あるいは Vehicle を外用した際のグ
ラフを示す(Kawashima M, et al. J Dermatol Sci. 2008;49:241-8 より引用)。なお、★は統
計学的に 2 群の間に有意差(p<0.05, Wilcoxon rank sum test)があることを示す。
この図から読み取れる情報は何か。
1. 使用後は、自動車の運転は避けるべきである。
これはいわゆる抗ヒスタミン剤などに記載されている文言。今回のグラフからは読み取れない
2. アダパレンの薬効としての炎症性皮疹の減少には 4 週間以上を要する。
6wより★マークがついているので、6w以降でコントロールよりも改善がみられているということ。
3. 使用時の刺激感は炎症によるものであり、1 週間で 15% の症例に生じる。
今回のグラフからは読み取れない
4. 使用継続は難しく、8 週後には半数の患者が使用をやめてしまっている。
今回のグラフからは使用をやめてしまったかどうかは記載がない。
5. 使用を継続すると効果が減弱し、6 週後には有意差を持って効果が減る。
6wより有意に改善効果が見られると解釈できる
vehicleとはいわゆる基材のこと。いわゆるネガティブコントロール。例えばステロイド軟膏の基材は通常ワセリンなどであるためステロイド軟膏の効果を調べるためには、ステロイド軟膏とワセリンで比較検討したりする。
縦軸がchange from base lineなので、治療前の炎症性皮疹の数を100%(0%)として治療後の数を-○○%としているので下に行けば行くほど、炎症性皮疹の数は減っている。つまり治療効果があると解釈できる。
こういった問題もたまに出題されるようなので、薬説をちゃんと聞いたり、使用の手引きなどの表はちゃんと目を通しておくとよい。
ベピオゲル
ちなみに日本では過酸化ベンゾイル2.5%のみだが、ドイツでは10%まで薬局で処方箋なしで購入できる。
今回の問題にあるとおり、患者さんに説明する際にはすぐ効果があるわけではなくて4-6wくらいで効果が出てくるはず、、、と言ったりしています。
ディフェリンゲルは背中ニキビに適応がないがベピオゲルは背中ニキビにも適応がある
刺激感
使用開始後数週で赤み、ひりひり感、乾燥、皮がむけるような症状が出たりします。プロトピックみたいに頑張って使い続けていくとだんだん慣れてくることもあります。
- 保湿
ノンコメドジェニックと書かれている製品で保湿 - 少ない範囲でぬる
顔面全体だと刺激感がつらいので、慣れるまでひどいところに限って外用してみる。通常1FTUで顔面全体を塗りますが、米粒大で顔面の1/8くらい外用する。 - 洗い落とす
無理せず洗い流す
その他注意点
- 脱色
髪の毛や眉毛の脱色作用が見られたり、シャツのような衣類のペイントが抜けたりする - 日焼け対策
外用して外出すると紫外線の影響で刺激を感じやすくなるので、基本夜外用として朝洗顔するように指導します - 室温で保管
室温で保管と書いてあるが、室温で保管すると、変なにおいがしてくるので、個人的には冷蔵庫保存をお勧めしています
参考
リンク
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