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令和4年度 2022年度皮膚科専門医試験 解答解説 問題17

問題

問題 17
65 歳、男性。半年前より左下腿に皮下結節を認め、徐々に増大してきた(図 12)。HE 染
色像(図 13、図 14)および S100 蛋白の免疫組織化学染色像(図 15)を示す。
 診断はどれか。
1. 神経鞘腫
2. 神経線維腫
3. 神経周膜腫
4. 顆粒細胞腫
5. 皮膚線維腫

解答

問題 17
65 歳、男性。半年前より左下腿に皮下結節を認め、徐々に増大してきた(図 12)。HE 染
色像(図 13、図 14)および S100 蛋白の免疫組織化学染色像(図 15)を示す。
 診断はどれか。
1. 神経鞘腫
いわゆるcellularityの高いantoni Aと猟奇と比較的細胞が疎なantoni B領域に分かれる。A領域では核の柵上配列がみられ、verocay bodyという。
2. 神経線維腫
被膜の形成は不明瞭。線維性成分と神経系細胞である紡錘形細胞が混在している。手術すると結構出血することもあるため、内部に毛細血管を伴っていることも多い。またよく頑張って探すと肥満細胞が見られる。
3. 神経周膜腫
神経周膜細胞より構成される良性神経鞘性腫瘍と定義されている。神経内に発生するタイプと軟部組織に発生するsoft tissue typeがある。中高年男性、皮膚では下肢に後発し、半数以上で痛みのない腫瘍を形成する. 病理では真皮に紡錘形細胞が花むしろ状のパターンを形成するため、DFSPに近いが神経系腫瘍であるためS-100が陽性になり、鑑別可能
4. 顆粒細胞腫
表皮は偽癌型表皮肥厚をともない、真皮に大型の多角形細胞、内部に好酸性の顆粒を含んでいる。皮膚以外には舌、食道、肺、胃腸、膀胱、子宮などにも生じる
5. 皮膚線維腫
DFSPと病理の違いがいえるようにする。また皮膚線維腫にはankle typeやaneurysmal typeみたいなバリアントがたくさんあって、悪性との見分けがつきにくいので病理診断は思った以上に難易度が高いことがある。

dermatofibroma dermatofibrosarcoma protuberans
表皮basal melanosis
正常-肥厚する傾向あり
正常-菲薄化する傾向あり
真皮grenz zoneあり
初期病変でgrenz zoneあり
storiform pattern
herringbon patternなど
異型性は乏しい
皮下組織皮下組織への浸潤は通常ない皮下組織への浸潤あり
honeycomb pattern
免染パターンCD34 ±
factor XIIIa +
CD34+
factor XIIIa – (DFと鑑別に大事)
S-100- (神経系腫瘍やメラノーマと鑑別に大事)
バリアントfibrous histiocytoma
aneurysmal
hemosiderotic 
epithelioid
cellular
lipidized
atrophic
clear cell
myxoid
pigmented (Bednar tumor)
myoid
granular cell
sclerosing
atrophic
fibrosarcomatous

参考

Rare Variants of Dermatofibrosarcoma Protuberans: Clinical, Histologic, and Molecular Features and Diagnostic Pitfalls

Variants of dermatofibroma–a histopathological study

足部に発生した神経周膜腫の1例

リンク

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