問題
問題 18
図 16 に B 細胞の分化を示す。難治性の尋常性天疱瘡及び落葉状天疱瘡の新規治療薬リツ
キシマブ(抗 CD20 モノクローナル抗体)のターゲットとなる細胞はどれか。3 つ選べ。
1. lymphoid stem cell
2. pre-B cell
3. naive B cell
4. memory B cell
5. plasma cell
解答
問題 18
図 16 に B 細胞の分化を示す。難治性の尋常性天疱瘡及び落葉状天疱瘡の新規治療薬リツ
キシマブ(抗 CD20 モノクローナル抗体)のターゲットとなる細胞はどれか。3 つ選べ。
1. lymphoid stem cell
この時点では幹細胞なのでCD34陽性
2. pre-B cell
C20陽性
3. naive B cell
CD20陽性
まだ抗原にさらされていないB細胞。ナイーブB細胞が抗原にさらされると、その抗原に特異的な抗体を分泌するメモリーB細胞ないし形質細胞に分化する。この分化は抗原に対する親和性の低いB細胞がメモリーB細胞になりやすいとされているが、サイトカインの影響など多数の説があるようだ
4. memory B cell
CD20陽性。形質細胞に比べて寿命が長く数十年。同じ抗原に再遭遇すると形質細胞に分化して抗原除去を行う、またここで形質細胞にならなかったメモリーB細胞は胚中心で抗原への親和性を高めるためのクラススイッチなどを受ける。ナイーブB→形質細胞よりもメモリーB→形質細胞の分化が非常に速いため、ワクチンのブーストはメモリーB細胞による効率的な二次免役応答と考えられる
5. plasma cell
CD20陰性。CD138などが陽性となる。CD20陰性のため、リツキサンを投与しても既感染のウイルスなどにたいする抗体は残っている。が、ヘルペスや帯状疱疹の合併症の報告も多数ある
リツキシマブ
作用機序
- short-lived plasma cell:疾患特異的な自己抗体産生
寿命は3-5日。RTX投与によるADCC (ANtibody dependent cellular cytotoxity),CDC (complement dependent cytotoxicity)活性により分化が障害される - long lived plasma cell:病原体に対する抗体産生
寿命は数か月-一生。骨髄やリンパ節に存在し、CD20を発現しないためRTXの影響をうけない。またRTX投与によりBAFF(B cell activating factor belonging to the tumor necrosis actor family)の血中濃度が上昇し活性化される。
有害事象
- infusion reaction
- 遅発性好中球減少症 (投与あと3-4週後)
- 感染症
ほかにも間質性肺炎、進行性多巣性白質脳症、腎障害、肝機能障害、心機能障害、血圧低下などなど
参考
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