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令和4年度 2022年度皮膚科専門医試験 解答解説 問題11

問題

問題 11
アトピー性皮膚炎に対する内服 JAK 阻害剤の使用に関する記載として誤っているものは どれか。
1.投与中に COVID-19 を発症した際は早期に休薬することが望ましい。
2.乾癬の生物学的製剤使用時と同様のスクリーニングとモニタリング検査が必要であ
る。
3.使用に際しては所定の要件を満たしていることを確認した上で、届出を日本皮膚科学
会に提出する。
4.投与中は重症な心疾患、悪性腫瘍、血栓の発生に留意した上で 6 か月以降のモニタリ
ング検査を検討する。
5.50 歳以上の患者に内服 JAK 阻害剤を開始する際、組換え帯状疱疹ワクチンの実施は
避けなくてはならない。

解答

問題 11
アトピー性皮膚炎に対する内服 JAK 阻害剤の使用に関する記載として誤っているものは どれか。
1.投与中に COVID-19 を発症した際は早期に休薬することが望ましい。
一般的に休薬することが望ましいが、確定的ではないので患者と担当医が相談して中止するかどうかを決定する必要がある。
2.乾癬の生物学的製剤使用時と同様のスクリーニングとモニタリング検査が必要であ
る。
チェックリストに従い、投与前、投与後1,3,6か月、その後は6か月に一度モニタリングが必要
3.使用に際しては所定の要件を満たしていることを確認した上で、届出を日本皮膚科学
会に提出する。
2022年時点では生物学的製剤のように承認制を設けてはいないが、学会事務局に届け出を行う必要がある
4.投与中は重症な心疾患、悪性腫瘍、血栓の発生に留意した上で 6 か月以降のモニタリ
ング検査を検討する。
投与前、投与後1,3,6か月、その後は6か月に一度モニタリングが必要
5.50 歳以上の患者に内服 JAK 阻害剤を開始する際、組換え帯状疱疹ワクチンの実施は
避けなくてはならない。

JAK阻害薬は臨床試験において65歳以上の患者で発症率が高い。JAK阻害薬は免役抑制を伴うので、弱毒化生ワクチンである”ビケンⓇ”は投与不可であるが、不活化ワクチンである”シングリックスⓇ”の投与を50歳以上の患者に考慮する。

バリシチニブ
(オルミエント)
ウパダシチニブ
(リンヴォック)
アブロシチニブ
(サイバインコ)
標的JAK1/2JAK1JAK1
適応疾患アトピー性皮膚炎
関節リウマチ
円形脱毛症
COVID-19肺炎
アトピー性皮膚炎
乾癬性関節炎
関節リウマチ
強直性脊椎炎
アトピー性皮膚炎
対象年齢成人成人
12歳以上(体重30Kg以上)
成人
12歳以上の小児
内服:1日1回 4mg
2mgに減量可)
成人: 1日1回15mg (30mgに増量可)
12歳以上(体重30Kg以上):1日1回15mg
1日1回100mg (200mgに増量可)
価格2,706 円(2mg)
5,275 円(4mg)
2,595 円(7.5mg)
5,089 円(15mg)
7,352 円(30mg)
2,587 円(50mg)
5,044 円(100mg)
7,566 円(200mg)
禁忌過敏症の既往
活動性結核
妊婦または妊娠している可能性
重度の腎機能障害
好中球数が 500/mm3 未満
リンパ球数が 500/mm3 未満
ヘモグロビン値が 8 g/dL 未満
過敏症の既往
活動性結核
妊婦または妊娠している可能性
重度の肝機能障害
好中球数が 1000/mm3 未満
リンパ球数が 500/mm3 未満
ヘモグロビン値が 8 g/dL 未満
過敏症の既往
活動性結核
妊婦または妊娠している可能性
重度の肝機能障害
好中球数が 1000/mm3 未満
リンパ球数が 500/mm3 未満
ヘモグロビン値が 8 g/dL 未満
血小板数が 50,000/mm3 未満

参考

アトピー性皮膚炎におけるヤヌスキナーゼ(JAK)‌阻害内服薬の使用ガイダンス

リンク

試験問題のリンク図表のリンクです

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