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令和4年度 2022年度皮膚科専門医試験 解答解説 問題9

問題

問題 9
70 歳男性。発熱・鼻部腫脹・多発関節痛に伴い体幹上肢に多数の紅斑が生じてきたため受
診。初診時、一部に環状を呈する紅斑が体幹四肢に多数散在していた(図 8)。鼻部と両耳介
に発赤腫脹を認めた(図 9)。CRP は軽度上昇、抗 II 型コラーゲン抗体は高値。背部紅斑か
らの生検像(図 10)および抗 CD68 抗体を用いた免疫組織染色像(図 11)を示す。最も考え
られる病名はどれか。
1. Linear IgA dermatosis
2. Histiocytoid Sweet syndrome
3. Erythema annulare centrifugum
4. Granulomatosis with polyangiitis
5. Erythema exsudativum multiforme

解答

問題 9
70 歳男性。発熱・鼻部腫脹・多発関節痛に伴い体幹上肢に多数の紅斑が生じてきたため受
診。初診時、一部に環状を呈する紅斑が体幹四肢に多数散在していた(図 8)。鼻部と両耳介
に発赤腫脹を認めた(図 9)。CRP は軽度上昇、抗 II 型コラーゲン抗体は高値。背部紅斑か
らの生検像(図 10)および抗 CD68 抗体を用いた免疫組織染色像(図 11)を示す。最も考え
られる病名はどれか。
1. Linear IgA dermatosis
浸潤しているのは組織球よりも好中球などが多い。DIFでIgAのが基底膜に線状に沈着する
2. Histiocytoid Sweet syndrome
再発性多発軟骨炎にスイート病を合併する症例が含まれる。PMID: 26474089

3. Erythema annulare centrifugum
真皮浅層の血管周囲のリンパ球浸潤、coat-sleeve like appearanceと表現したりもする。
4. Granulomatosis with polyangiitis
PR3-ANCAが上昇、E (ear 上気道)、L(lung 肺)、K(kidney 腎臓) 通常E–>L–>Kの順番に症状が出現する。
5. Erythema exsudativum multiforme
多形滲出性紅斑のこと。

耳と鼻が主張していて抗II型コラーゲン抗体が要請なので再発性多発軟骨炎があるのはわかりそうだが、relapsing polychondritisが選択肢にないためちょっと困る。CD68が組織球を染めているとわかっていればなんとなく2が正解だと想像できる。

参考

Histiocytoid Sweet syndrome: a novel association with relapsing polychondritis

リンク

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