問題
問題 5
37 週、経膣分娩で出生した女児。出生体重 2,904 g、Apgar score 9 点。出生時に全身の著
明な角質肥厚、亀裂を認めた(図 5、図 6)。この疾患について誤りはどれか。
1. 指定難病である。
2. 精神発達遅滞を伴う。
3. エトレチナートが有効である。
4. 常染色体潜性(劣性)遺伝である。
5. ABCA12 遺伝子の変異により発症する。
解説
問題 5
37 週、経膣分娩で出生した女児。出生体重 2,904 g、Apgar score 9 点。出生時に全身の著
明な角質肥厚、亀裂を認めた(図 5、図 6)。この疾患について誤りはどれか。
1. 指定難病である。
先天性魚鱗癬の1病型として道化師様魚鱗癬が指定難病となっている
2. 精神発達遅滞を伴う。
いわゆる魚鱗癬症候群では精神発達遅滞を伴うことが多いが道化師様魚鱗癬では正常
3. エトレチナートが有効である。
出生後早期(文献によっては生まれた当日より)に1mg/kg/dayを投与すると角化が正常になる、という報告がちらほら見られる
4. 常染色体潜性(劣性)遺伝である。
5. ABCA12 遺伝子の変異により発症する。
顆粒層に含まれる層板顆粒の膜上に存在し、セラミドの原料となる脂質を取り込む役割がある。層板顆粒から角質細胞間にセラミドを放出していく。ちなみに顆粒層のケラトヒアリン顆粒にはプロフィラグリンが蓄えられていて、保湿に役立つ
臨床診断は道化師様魚鱗癬で皮膚が分厚く割れており、眼瞼や口唇の反転が特徴的。出生時のコロジオン児としての写真は全身の白色の分厚い角化物質であるコロジオン膜が印象的だが、これは1−2日で脱落し、その後は細かい白色鱗屑と紅皮症がメインになってくる。
魚鱗癬症候群は網羅するのが大変なのであたらしい皮膚科学を読んでおけばいいと思う。
参考
あたらしい皮膚科学
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