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皮膚科専門医試験問題と解答解説 2021年度 問題98

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問題

問題 98.25 歳,男性.2 日前に食事会に行き,ワインやジントニック等を飲んだ.口唇に軽度の痛みを伴う紅斑とびらんが生じたため受診した.左上腕にも円形の小紅斑がある.口唇の臨床像を示す(図 42).本症例の診断に最も有用な検査はどれか.
1. パッチテスト
2. HLA 抗原検査
3. 細菌培養検査
4. 単純ヘルペスウイルス抗原検査
5. 抗デスモグレイン-1 および 3 抗体検査

解答解説

問題 98.25 歳,男性.2 日前に食事会に行き,ワインやジントニック等を飲んだ.口唇に軽度の痛みを伴う紅斑とびらんが生じたため受診した.左上腕にも円形の小紅斑がある.口唇の臨床像を示す(図 42).本症例の診断に最も有用な検査はどれか.
1. パッチテスト
本邦で塩酸キニーネのパッチテスト試薬が販売されており、それにより診断した報告が多い
2. HLA 抗原検査
ベーチェット病の口腔内アフタを疑うなら提出するが、アフタ性口内炎とは言えない。ベーチェット病ではHLA-B51やHLA-A26などが検出される
3. 細菌培養検査
伝染性膿痂疹を疑う際に提出する
4. 単純ヘルペスウイルス抗原検査
口唇ヘルペスを疑う際に提出する検査。小水疱が破れたあとなら似たような症状になるかもしれない。水疱から採取すると陽性率が高いが、びらんの場合には病巣の基底部に感染細胞がいるので患者が痛いくらいグリグリ採取する。キットがあるので15分くらいで結果が出る。
5. 抗デスモグレイン-1 および 3 抗体検査。
天疱瘡が鑑別に上がれば提出する検査。天疱瘡の場合は口唇より頬粘膜、歯肉のほうが症状が目立つ。

固定疹は, 原因物質の摂取により, 限局した同一部位に境界明瞭な皮疹を繰り返すのが特徴で, その症状は数分〜数時間で口囲, 口唇, 外陰などの皮膚粘膜移行部や四肢に好発する。薬剤による固定疹を固定薬疹と呼び、食物が原因の場合には固定食物疹という。豆、アスパラガス、カシューナッツ、いちごなどの報告がある。

トニックウォーターによる固定疹は一時期トピックになっていたかと思います。

余談だがトニックウォーターにキニーネが入っているかどうかはメーカーにより異なるが、キニーネが入っているトニックウォーターは、UV照射で発光する。日本で購入できるものではSchweppes® と CANADA DRY ®に含まれている。ちなみにリアルゴールドやオロナミンCがUV照射で光るのはビタミンB2の影響。

参考

その他

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