皮膚科専門医試験問題と解答解説 2021年度 問題86

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問題

問題 86．30 歳，男性．手指爪下の有痛性の皮下結節の組織像を示す（図 28，図 29）．この疾患で腫瘍細胞が陽性になることが予想される免疫組織化学染色はどれか．
1． α-smooth muscle actin
2． desmin
3． S-100
4． CD31
5． CD34

解答解説

問題 86．30 歳，男性．手指爪下の有痛性の皮下結節の組織像を示す（図 28，図 29）．この疾患で腫瘍細胞が陽性になることが予想される免疫組織化学染色はどれか．
1． α-smooth muscle actin
平滑筋マーカー、グロムス腫瘍ではほぼすべてのケースで陽性となる
2． desmin
平滑筋、横紋筋に染まる。アクチンは染まるがデスミンは染まらない点などから血管平滑筋由来と考えられている。
3． S-100
神経系マーカー、メラノーマでの陽性になる
4． CD31
血管内皮細胞などで陽性になる。グロムス腫瘍ではほぼすべてのケースで陰性
5． CD34
幹細胞マーカー。３割強のケースで陽性となる。CD34が陽性になるのは血管肉腫や隆起性皮膚線維肉腫を覚えておく

疼痛を伴う腫瘍の代表的な疾患。HEでは円形から楕円形の核をもつ小型の円形の細胞で構成され、境界明瞭な皮膚および皮下結節を呈する。主に爪での報告が多い。

グロムス腫瘍はsolid type, vascular type, myxoid typeなどに組織型が別れている。本症例でもムチン沈着が見られるが、solid typeでもある程度のムチン沈着は見られる。

参考

その他

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