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皮膚科専門医試験問題と解答解説 2021年度 問題80

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問題

問題 80.色素斑のダーモスコピー像(図 23)を示す.最も考えられるパターンはどれか.
1. Multicomponent pattern
2. Fibrillar pattern
3. Globular pattern
4. Parallel furrow pattern
5. Parallel ridge pattern

解答と解説

問題 80.色素斑のダーモスコピー像(図 23)を示す.最も考えられるパターンはどれか.
1. Multicomponent pattern
3種類以上の所見が混在している状態、一般的に良性の病変は1ー2種類の所見で表現できるため、3種類以上の所見がある場合には悪性の可能性がある
2. Fibrillar pattern
荷重による擦過のために斜めに線が入ったような色素パターンが見られる。一般的には良性と判断する。例えば荷重部でないのにこの所見がある際にはatypical fibrillar patternとなり、両悪性の判断を身長に検討すべき
3. Globular pattern
globule はdotよりもちょっと大きめの球状のを呈している。
4. Parallel furrow pattern
furrowは轍とか溝の意味なので皮溝並行パターン。crista profunda limitansにメラノサイトが集まりやすいので、良性の母斑は溝が黒くなる
5. Parallel ridge pattern
ridgeとは畝とか頂上という意味。皮丘では汗孔が開口しているのでそこで見分ける。溝よりもちょっと太い。掌蹠では汗腺に存在する色素幹細胞が悪性化することにより、メラノーマではこういった初見を呈するらしい

ridgeとfurrowの見分け方は汗孔の有無で判断し、ridgeでは汗孔が開口するが、今回の写真ではわかりにくい。基本的には溝のほうが丘よりも細いはず。ridgeに色が付いていることが分かったが、斜めに線を引いたような見え方をしているものはparallel ridge patternの良性variantでfibrillar patternという。こういった見え方は測定のこすれが影響していることが多く、荷重部でよく見られるパターン

参考

新しい皮膚科学

ダーモスコピーのすべて
dermoscopedia 

その他

解答解説に間違いがあればお手数ですがコメントで教えてください

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