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皮膚科専門医試験問題と解答解説 2021年度 問題71

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問題

問題71.Darier病とHailey-Hailey病を比較した時に,Hailey-Hailey 病のみに該当するのはどれか.
1. 夏期に悪化することが多い.
2. 国の指定難病である.
3. 棘融解細胞が見られる.
4. 常染色体優性遺伝を示す.
5. 通常,幼児期には症状は見られない.

解答と解説

問題71.Darier病とHailey-Hailey病を比較した時に,Hailey-Hailey 病のみに該当するのはどれか.
1. 夏期に悪化することが多い.
増悪因子として高温、多湿、多汗、妊娠、出産、紫外線、炭酸リチウム、二次感染など
2. 国の指定難病である.
Hailey-Hailey病は家族性良性慢性天疱瘡として登録されている(指定難病161)。

3. 棘融解細胞が見られる.
ダリエは基底層直上で、ヘイリーヘイリーは全層性に見られる
4. 常染色体優性遺伝を示す.
どちらも常染色体優性遺伝、孤発例も多い
5. 通常,幼児期には症状は見られない.
ダリエ病は小児期から、ヘイリーヘイリーは30-40歳くらいに発症。どちらもハプロ不全なので、幼児期では発症しにくいはず。

ともに類縁疾患だが、結構違いはあるし、頻出であるため抑えておく

Darier病Hailey-Hailey病
遺伝形式常染色体優性遺伝
ハプロ不全
常染色体優性遺伝
ハプロ不全
責任遺伝子ATP2A2ATP2C1
コードするタンパク
SERCA2
小胞体膜上のカルシウムポンプ
SPCA1
ゴルジ体膜上のカルシウムポンプ
好発年齢小児期から10代で発症青壮年期に発症
好発部位頭部、顔面、胸背部などの脂漏部位腋窩、鼠径、陰部などの間擦部
臨床症状角化性丘疹小水疱、びらん性局面
随伴症状精神発達遅滞、てんかん、躁うつ病
病理不全角化・角栓形成を伴う角質増
基底層直上の裂隙形成・棘融解細胞の浮遊
異常角化細胞 (円形体: corps ronds), (顆粒体: grains
表皮全層に及ぶ棘融解
基底層細胞では異常を認めない
異常角化細胞は目立たない
電顕有棘細胞間のデスモゾームの減少や変性
トノフィラメントの凝集
デスモゾームの変性
ケラチンフィラメントの核への凝集

ハプロ不全については問題19の解説も参照してください

参考

Darier病

Darier 病と Hailey-Hailey 病

その他

解答解説に間違いがあればお手数ですがコメントで教えてください

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