問題
問題 70.ABCC6 変異により発症する常染色体劣性遺伝性疾患にみられる臨床あるいは病理所見はどれか.
1. 結節性裂毛と曲折線状魚鱗癬
2. 四肢末端の褐色斑と色素脱失
3. 眼瞼外反と口唇突出,板状の鱗屑,深い亀裂
4. 弾性線維の変性とカルシウム沈着
5. 腋窩・鼠径部のびらん・小水疱と棘融解
解答と解説
問題 70.ABCC6 変異により発症する常染色体劣性遺伝性疾患にみられる臨床あるいは病理所見はどれか.
1. 結節性裂毛と曲折線状魚鱗癬
これはNetherton症候群のキーワード。結節性裂毛は毛皮質の露出、断裂により髪の毛に結節が多数出現。竹みたいにみえるのでbamboo hairともいう。これは後天的にも起こりうる。曲折線状魚鱗癬は紅斑が遠心性に拡大して辺縁が堤防上に隆起し隣接や痂皮を付着し、二重鱗屑縁を有する。SPINK5の変異
2. 四肢末端の褐色斑と色素脱失
3. 眼瞼外反と口唇突出,板状の鱗屑,深い亀裂
眼瞼外反は道化師様魚鱗癬。ABCA12が原因遺伝子。胎児のときから角層が非常に厚くなる。
4. 弾性線維の変性とカルシウム沈着
このときカルシウムを確認する染色がコッサ染色。真皮内に黒く染まっている。
5. 腋窩・鼠径部のびらん・小水疱と棘融解
PXEであれば腋窩、鼠径には黄色調の丘疹が出現することが多い。
ABCC6変異が弾性線維性仮性黄色腫(pseudoxanthoma elasticum: PXE)であることを覚えておく。ABCC6は膜輸送タンパクをコードしているが、なぜこの遺伝子異常がPXEの臨床症状を呈するのかはよくわかっていない。
参考
その他
解答解説に間違いがあればお手数ですがコメントで教えてください
コメント