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皮膚科専門医試験問題と解答解説 2021年度 問題61

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問題

問題 61.Graft-Versus-Host Disease(GVHD)について正しいのはどれか.
1. HLA を完全に一致させると起こらない.
2. 急性 GVHD 皮膚症状は,手掌,足底に生じやすい.
3. 慢性 GVHD 時では口腔内病変は生じない.
4. 急性 GVHD では,強皮症様皮膚硬化を認める.
5. 重症度は皮膚,肝臓,眼の三症状で決定する.

解答と解説

問題 61.Graft-Versus-Host Disease(GVHD)について正しいのはどれか.
1. HLA を完全に一致させると起こらない.
HLA一致でGVHD発症リスクは低減するが、HLAが適合した同胞間移植とHLA適合非血縁者間移植ではそれぞれ8%、13%くらい発症する。
2. 急性 GVHD 皮膚症状は,手掌,足底に生じやすい。
手掌、足底、顔面に好発しやすい。他に前胸部、背部や局所照射部位に多い。

3. 慢性 GVHD 時では口腔内病変は生じない.

慢性GVHDでは扁平苔癬様の皮疹が出現し、口腔内の病変も含まれる
4. 急性 GVHD では,強皮症様皮膚硬化を認める.
慢性GVHDで強皮症様変化が見られる。組織学的には急性GVHDでも強皮症様の膠原線維の変化が見られる事がある。
5. 重症度は皮膚,肝臓,眼の三症状で決定する.
急性GVHDは皮膚、肝障害、消化管障害で判定する。慢性GVHDは障害臓器の数、肺以外の重症度スコア、肺障害のスコアで判定

皮膚消化管
Grade I1-200
Grade II311
Grade III2-32-4
Grade IV44
Stage皮膚障害肝障害消化管障害
皮疹<25%T-bil 2.0~3.0mg/dL成人 下痢 <500ml
小児 下痢 280~555ml/m² (10~19.9ml/kg)または持続する嘔気
2皮疹 25~50%T-bil 3.1~6.0mg/dL成人 下痢 500~1000ml or 持続する嘔気
小児 下痢 556~833ml/m² (20~30ml/kg)
3皮疹>50%T-bil 6.1~15.0mg/dL成人 下痢 1001~1500ml
小児 下痢 >833ml/m² (>30ml/kg)
4全身性紅皮症、 水泡形成T-bil >15.0mg/dL成人 高度の腹痛 (腸閉塞の有無は問わない)
小児 高度の腹痛 (腸閉塞の有無は問わない)

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