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問題
問題 54.54 歳,女性.左右対称性の多関節痛と手指関節背側,肘頭,膝蓋,上口唇粘膜の小丘疹と結節を主訴に受診.手指関節背側の皮疹の臨床像を図16に示す.結節の 1 つを生検したところ,図 17 の病理組織像であった.Elastica van Gieson 染色,胸部CT,および眼科的診察では異常所見はみられなかった.診断はどれか.
1. 環状肉芽腫
2. リウマチ結節
3. サルコイドーシス
4. 多中心性細網組織球症
5. Annular elastolytic giant cell granuloma
解答と解説
問題 54.54 歳,女性.左右対称性の多関節痛と手指関節背側,肘頭,膝蓋,上口唇粘膜の小丘疹と結節を主訴に受診.手指関節背側の皮疹の臨床像を図16に示す.結節の 1 つを生検したところ,図 17 の病理組織像であった.Elastica van Gieson 染色,胸部CT,および眼科的診察では異常所見はみられなかった.診断はどれか.
1. 環状肉芽腫
palisading granuloma, ムチン沈着が主体。臨床的に環状になっていることが多い。全身にあるときは糖尿病の合併を検索する。今回は病理でムチンとpalisading glanulomaがないので否定的。
2. リウマチ結節
写真は類似しているが、リウマチ結節であればpalisading granulomaと中心部の壊死が目立つはず
3. サルコイドーシス
乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を呈する。稀に皮膚症状が先行するが、テストレベルでは肺門リンパ節腫脹や眼症状がないので不適とする
4. 多中心性細網組織球症
皮膚と関節内に組織球の病的な増殖が起こるため、皮膚と粘膜の多発小結節+多発性破壊性関節炎。関節症状が7割で先行する。病理は多核巨細胞と組織球の浸潤がメイン、RAとの鑑別が大事、悪性腫瘍(悪性リンパ腫、胃がん、肺がん、子宮頸がんなど)が背景にないか確認する。治療はMTXが主体。
5. Annular elastolytic giant cell granuloma
環状肉芽腫の亜型で、弾性線維の変性消失と巨細胞による弾力線維貪食を特徴とする。肉芽腫のところは弾性線維が貪食され消失するが、肉芽腫周囲では弾性繊維が保存される傾向にある。この場合はEVG染色で異常所見がないので違うと判断。手背などの日光にさらされるところに発生。
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