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皮膚科専門医試験問題と解答解説 2021年度 問題38

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問題

問題 38.結核について正しいのはどれか.
1. 腺病性苔癬ではしばしば病巣より結核菌が検出される.
2. 結核菌の同定にはサブロー培地による培養検査も行う.
3. バザン硬結性紅斑では血管炎の所見が少ないのが特徴である.
4. ツベルクリン反応では発赤(紅斑)の長径が10 mm 以上で陽性と判定する.
5. 皮膚結核のみの場合,耐性菌の出現を抑えるため抗結核剤投与は 2 か月で中止する.

解答と解説

問題 38.結核について正しいのはどれか.
1. 腺病性苔癬ではしばしば病巣より結核菌が検出される.

結核疹なので検出されない
2. 結核菌の同定にはサブロー培地による培養検査も行う.

サブロー培地は真菌で用いる。抗酸菌は小川培地と液体培地を用いる
3. バザン硬結性紅斑では血管炎の所見が少ないのが特徴である.

組織学的にはlobular panniculitisだが、皮下脂肪組織に血管炎の所見があることも多い
4. ツベルクリン反応では発赤(紅斑)の長径が10 mm 以上で陽性と判定する.

ツ反は結核菌抗原液を皮内注し、48時間で判定する。10mm以上で陽性判断。T細胞を介する反応なので、細胞性免疫が低下していると陰性化する。サルコイドーシスも細胞性免疫が傷害されているので陰性化するのは有名
5. 皮膚結核のみの場合,耐性菌の出現を抑えるため抗結核剤投与は 2 か月で中止する.

皮膚結核でも肺結核に準じた治療となる。4剤を2ヶ月その後INH+αで4ヶ月内服する。抗結核薬はメジャーな副作用を合わせて覚えておくと良い。

好発部位皮膚外病変乾酪壊死結核菌
真性皮膚結核皮膚腺病連続性頸部++++++冷膿瘍
尋常性狼瘡血行性顔面±++
皮膚疣状結核接種性四肢±+++結核菌にすでに免疫ある人に発症
結核疹硬結性紅斑血行性下腿±+++±
丘疹壊疽性結核疹血行性四肢伸側±+血管炎様
腺病性苔癬血行性体幹+BCG接種後
陰茎結核疹血行性陰茎亀頭++有痛性潰瘍
イソニアジド肝障害、末梢神経障害、SLE様症状VitB6欠乏のため ピドキサールを併用
リファンピシン肝障害、血小板減少、溶血性貧血
ピラジナミド肝障害、高尿酸血症INHの耐性獲得を遅らせる目的で併用
エタンブトール視神経炎、精神障害
ストレプトマイシン難聴、めまいなどVIII神経障害

参考

あたらしい皮膚科学

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