皮膚科専門医試験問題と解答解説 2021年度 問題37

問題 37．65 歳，男性．職業：農業．右手背に約 4×3 cm で楕円形の境界明瞭で浸潤を触れる単発の紅色局面がある．潰瘍と痂皮を伴う（図 9）．サブローブドウ糖寒天培地培養およびスライドカルチャーを図 10 と図 11 に示す．本症例に関する記述として誤っているのはどれか．
1． 局所温熱療法も有用である．

使い捨て懐炉などで，耐えうる限りの温度（通常40℃ 以上）で一日最低 2 時間前後病変部を熱する．スポロトリコーシスに対しては，局所温熱療法単独でも治癒する症例があるが補助療法として使用するのが望ましい
2． Wood 灯検査は診断の補助となる．

wood灯は波長365nm、癜風や紅色陰癬などに用いられる。皮膚科よりも動物病院のほうが使っているかも。microsporumも光るのでこれによる頭部白癬の鑑別には有用（trichophytonは光らない）
3． 我が国では症例数が減少傾向にある．
4． 病理組織所見で星芒体を認めることがある．

サルコイドーシスでもasteroid bodyが見られる。
5． 経過と臨床から皮膚リンパ管型のスポロトリコーシスを最も疑う．

皮膚と皮膚外、皮膚は皮膚リンパ管型、皮膚固定型、播種型に分かれる

スポロトリコーシスは子供の目の下にドーム状の結節がある写真をよく見るはず。