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皮膚科専門医試験問題と解答解説 2021年度 問題27

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問題

問題 27.副腎皮質ステロイド薬について正しいのはどれか.
1. アナフィラキシー治療の第 1 選択薬として点滴投与する.
2. リファンピシンを併用するとステロイド薬の効果が増強する.
3. 眼瞼周囲へのステロイド外用薬の使用は眼圧に影響しない.
4. メチルプレドニゾロン 4 mg とプレドニン5 mg は同等の力価である.
5. コハク酸エステル製剤に対するアレルギーの患者にベタメタゾンの投与は禁忌である.

解答と解説

問題 27.副腎皮質ステロイド薬について正しいのはどれか.
1. アナフィラキシー治療の第 1 選択薬として点滴投与する.
アドレナリンが第一選択。アナフィラキシーでは筋注。皮下注だと効果が出るまで時間がかかるため筋注がマスト。仮にアナフィラキシーでない状態に筋注すると10分くらい頻脈になるだけなので、少しでも疑う際は筋注したほうが良い。CPAのときは静注する。昔アナフィラキシーに静注した患者が死亡した事例があったはず。
2. リファンピシンを併用するとステロイド薬の効果が増強する.
RFPは肝臓でステロイド代謝を促進し半減期が約半分になるので、一般的にRFP投与中は必要量が2倍になるとされる。
3. 眼瞼周囲へのステロイド外用薬の使用は眼圧に影響しない.

ステロイド外用薬を特に眼周囲に使用した場合,眼圧上昇や緑内障のリスクを高める。アトピー患者を眼科に紹介したら目の周りのステロイド外用は避けてほしいと言われたことがあるはず。
4. メチルプレドニゾロン 4 mg とプレドニン5 mg は同等の力価である.
5. コハク酸エステル製剤に対するアレルギーの患者にベタメタゾンの投与は禁忌である.
ステロイドそのものは水に難溶性なので、静注薬を作る際にコハク酸エステル、リン酸エステルを側鎖につけて製品化している。内服薬は関係ない。NSAIDS不耐症はコハク酸エステル構造に過敏であるとされる。ベタメタゾンはリン酸エステルなのでOK

商品名同力価抗炎症作用:電解質作用血漿半減期
短時間作用型ヒドロコルチゾンコートリルコハク酸エステル20mg1 : 11.5Hr
中間型プレドニゾロンプレドニンコハク酸エステル5mg4 : 0.82.75Hr
メチルプレドニゾロンメドロールコハク酸エステル4mg5 : 0.53.0Hr
トリアムシノロンレダコートアセト二ド4mg5 : 04.2Hr
長時間型デキサメタゾンデカドロンリン酸エステル0.75mg25-30 : 05.0Hr
ベタメタゾンリンデロンリン酸エステル0.75mg25-30 : 05.0Hr
ステロイドの力価
シクロスポリンシクロスポリン、ステロイド双方の血中濃度上昇
マクロライドステロイドの作用増強
リファンピシンステロイドの作用減弱
フェニトインステロイドの作用減弱
フェノバルビタールステロイドの作用減弱
イトリゾールステロイドの作用減弱
ステロイドの血中濃度に影響を与えうる薬

参考

ステロイドの薬物相互作用

アナフィラキシーガイドライン2022

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