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皮膚科専門医試験問題と解答解説 2021年度 問題26

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問題

問題 26.正しいのはどれか.
1. 金は接触皮膚炎を起こしにくい.
2. 皮革製品にはコバルトが多く含まれる.
3. 刺激性接触皮膚炎は初回接触では発症しない.
4. Diaper dermatitis とは唾液や食物により口囲に生じる接触皮膚炎である.
5. 接触皮膚炎症候群は原因物質に経皮的に曝露され続けることにより発症する.

解答と解説

問題 26.正しいのはどれか.
1. 金は接触皮膚炎を起こしにくい.
金属に限るとニッケル>金>コバルト>水銀>クロムの順に多いようです。ニッケルの感作能が高いわけではなく多くの製品に含有され、接触の機会が多いからだとされている。金は感作能が高いが難溶性のため、経皮吸収まで時間がかかるので、反応が遅く出ることがある。
2. 皮革製品にはコバルトが多く含まれる.
皮革製品はクロムが多く含まれる。コバルトはメッキ、セメント、合金、毛染め、陶磁器、絵の具、エナメルなどなど
3. 刺激性接触皮膚炎は初回接触では発症しない.
アレルギー性は初回接触時に真皮の樹状細胞が補足、T細胞に抗原提示した後に、同じ物質が侵入すると発症する。一方刺激性は刺激物質が角層を直接刺激してサイトカインなどを誘導し炎症を起こすので一定閾値以上の刺激であれば初回接触で、誰でも発症する可能性がある。
4. Diaper dermatitis とは唾液や食物により口囲に生じる接触皮膚炎である.
DiaperとはおむつのことなのでDiaper dermatitisはいわゆるおむつ皮膚炎。口なめ病はなめるという意味のlick dermatitis となる
5. 接触皮膚炎症候群は原因物質に経皮的に曝露され続けることにより発症する.
接触感作の成立後,同一の抗原が繰り返し経皮的に接触し,強いかゆみを伴う皮膚病変が接触範囲を超えて全身に出現する場合を接触皮膚炎症候群と呼ぶ。経皮的に抗原が吸収されて血行性に散布されて生じるものと推測されている

参考

微量元素と皮膚疾患

接触皮膚炎診療ガイドライン 2020

第3回 皮膚かぶれ(接触皮膚炎)とその対策

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